今日の村岡先生

◆2019年9月17日

人日のお飾りのかけ蓬莱をお造りになっていました。若松は指の力を使う大変な作業です。

 

村岡先生は長年、手を使う作業をされていますが、腱鞘炎など手を痛めることなく今日までこられました。若い頃から剣道をされ、学生の指導もされていたそうで、腕や手を鍛えてこられたからでしょうか?

 

 

 

◆2019年9月4日

定家のくす玉に3/4花が付きました。

フレームに小巻き(花や蕾、葉を組み合わせたもの)をキリで穴をあけて挿していかれます。

色の配置、花の向きなど丁寧に検討されます。少しでも納得いかない場合は小巻きの絹糸を切って何度も組み合わせし直し、巻き直しをされます。

村岡先生の職人魂はいつまでもお若く生き生きされています。

◆2019年8月29日

定家のくす玉の一つ十月の菊がもうすぐ完成しそうです。

最後の大詰め、レイアウトをされています。

90歳になられて(後3ヶ月で91歳!)新作に挑戦されていらっしゃるお姿を側で拝見し、ただただ尊敬いたします。

ほんの少しの花の向きや葉っぱの付き具合まで細かくチェックして手を入れていかれます。

◆2019年8月5日

今日は京都女子大学の学生さんから取材を受けておられました。

雲上流の造花についてや造り方を熱心に話されていました。

今日の取材は京都の伝統工芸の本にまとめられ、来年刊行される予定です。また決まればお知らせいたします。

◆2019年7月30日

久寿玉用の平菊をお造りになっていました。24枚から32枚の切り込みを入れた花びらに一枚ずつ丁寧にコテをあてていかれます。それをまた重ねてニオイ(雌しべ、雄しべ)のための大きな丸いコテをあて、花粉のついたニオイをつけます。

先生のお父様の頃は糸引きの菊でした。糸を並べて和紙を裏打ちするためにコテのあたる方向が決まっています。そのため2枚ずつ花弁を切ってコテをあて貼り合わせていきます。大きな平菊でしたら大きさの違う花弁を2重3重にするので48枚もの花弁を貼り合せることになります。何年経ってもそのコテはしっかりあたっているため、形が美しく残っているそうです。

 

◆2019年7月22日

今日は平菊をお造りになっていました。

菊には平菊と蘭菊があります。花びらの大きさにもよりますが24枚の花びらを切り、その一枚一枚にリズムよくコテをあてていかれます。そしてその花びらを2枚や4枚を重ねて一輪の菊ができます。

気が遠くなりそうなコテあて作業ですが、「職人は手間を惜しんだらあかん」と先生のお父様の言葉を今も実践されています。

◆2019年7月8日

今日は七夕のお飾り、梶の葉を造っていらっしゃいました。

大きめのコテで葉の柔らかさを表現されます。

 

葉や花びらは和紙で裏打ちした布を重ねて包丁で裁っていかれるのですが、多くて何枚ぐらい重ねるのか尋ねたところ、橘の葉は60枚重ねたそうです。包丁も30分ごとに研いでいたとのこと。60枚も重ねると大きさも変わるのですが、そこが均一の葉にならないために大切なところだそうです。

 

◆2019年7月1日

今日は婚礼用の島台のお仕事が終わり、次の制作に取り掛かっていらっしゃいました。

雲上流に代々伝わる絵をもとに新しいことにチャレンジされるようでとても楽しみです。

仕事の注文はなかなか途切れないのですが、時間があれば造ってみたいと思っていらっしゃしゃるものがいくつかあります。

以前はリタイヤしたらこんな花を造りたいとおっしゃってましたが、村岡先生にはリタイヤという言葉はなさそうです。生涯現役で今日も尺定規を持って布を裁断されていました。

 

◆2019年6月24日

今日は絹布に和紙の裏打ちをされました。絹の布も村岡先生がご自分で染められます。

糊の練り具合や均等な薄さで糊を引く作業は力と技術が必要です。

昔は端午の節句ものが終わった6月の梅雨の時期に、一年分の材料を用意するためにこの作業を1ヶ月間毎日されていたそうです。

少しさせていただいただけでも汗が吹き出て体力を消耗し、当時は布の大きさも倍だったので奥様と二人でどんなに大変だったことかと想像に難くないです。

 

◆2019年6月10日

重陽の茱萸袋(ぐみ袋)の菊の花びらにコテを当てていらっしゃいました。一枚の菊の花びらは32枚。

一つ一つ丁寧にリズム良くコテを動かして、3〜4枚ごとにコテを替えていかれます。熱が弱いと(コテが効いていない状態)ダメだと常々おっしゃっています。

1本の菊を作るのに4枚必要なので128回もコテを当てていらっしゃるのです。

この丁寧な作業をそばで拝見する度に感動します。

 

 

◆2019年5月27日

紙を重ねて裁断される時は特別な包丁をお使いになります。

この包丁も刃を研いで半分ぐらいの長さになったそうです。

何本も包丁をお持ちですが、相性の良いものは限られていて刃がどんどん短くなります。

村岡先生のお父様もお気に入りの鋏は要(かなめ)が緩んでいて他の人ではうまく切れなかったそうですがお父様は上手に切られていたそうです。やはり道具は手馴染みの良いものが一番使いやすいのですね。

 

 

◆2019年5月13日

菖蒲の花やヨモギの葉を造られていました。端午の節句の熨斗飾りにされるそうです。

1週間も手を動かさないと造れなくなるのでは?という気がして、毎日なにかしら手と動かしていますとおっしゃっていました。

村岡先生の手は今も艶やかで4〜50代くらいの方の手のようです!と思わず言ってしまいました。

 

 

 

◆2019年4月23日

6番のお雛様に合う桜橘を造っていらっしゃいます。

大きなサイズですので木組みもとても力がいる作業になります。

そして写真は橘の葉をカットされている様子ですが、裏打ちした絹を何枚も重ねて顎で押さえながら

包丁で裁ちます。1日に何百枚も裁たれた頃は顎が真っ赤になったそうです。

 

 

 

◆2019年4月1日

和紙で裏打ちした絹は重ねて特別な包丁で裁断されます。

多いときは20枚重ねるそうですが、定規で押さえたぐらいではズレてしまうので重い桜の角材を押さえとして使っておられます。話は逸れますが、この桜の角材は旧国鉄京都駅の貴賓室を解体した時に出だものだそうです。

足も乗せて全身を使っての裁断はとても力のいる作業です。

 

 

◆2019年3月18日

今日は真の薬玉に6色の紐を付けておられました。

表から見て結び目が美しく見えるように裏から一本一本8箇所ずつ結んでいかれます。

紐のよりが交互に右巻き、左巻きになっているのも雲上流の特徴です。

奇数の数字を使うことが多いのですがこの左右合わせて12本は1年を表しているそうです。

 

 

 

◆2019年3月6日

昨年末からお作りになっていた四季の平薬玉が完成し、撮影させていただきました。

赤色の牡丹の薬玉とピンク色の牡丹の薬玉の二つは「人それぞれお好みがあると思います」とのこと。

どちらもとても華やかで美しい四季の薬玉です。

精魂込めてお造りになって少しお疲れになられたご様子でしたが「休んだら腕が落ちる」と今日もコテを当てていらっしゃいました。

 

 

◆2019年2月18日

今日は真の薬玉の柏の葉をお造りになっていました。

力強くコテ当てをされる手はとても若々しくて艶やかです。

「大きい薬玉にする時、小さい花を沢山使っても美しくは見えない。離れて美しく見えるようにしないとあかん。ウチの親父はどれぐらいのとこに飾られるのですか?と聞いてそれに合わせて造っていた」

一寸違えば、花も大きくして数も倍ほどいるそうです。一つ一つ人形の大きさや飾るスペースに合わせて造るのが雲上流の花です。

 

◆2019年2月9日

今日は真の薬玉用のサツキをお造りになっていました。

しっかりコテがあたりとても美しいです。

「これは天皇家と同じサイズやけど、一回り小さいものや…お客さんの注文によって

色んな大きさを造る。たたみ一畳の大きなサイズも造ったことがあった」とのこと。

注文に合わせて仕上がりのサイズから計算して造られたお手製の花びらの型が沢山あります。

それにしても…たたみ一畳の真の薬玉は顔より大きいお花!今はないそうですが拝見したかったです。

 

◆2019年1月30日

四季の薬玉に色とりどりのお花が次々に取り付けられていきます。

一つのお花を付けるのに何度も尺定規を当てながらサイズを揃えていかれます。

「ちょっとでもさぼったら腕が落ちる」と今日も丁寧なお仕事をされていました。

 

 

 

 

◆2019年1月21日

先週、満90歳になられた村岡先生は今日も丁寧にお花をお造りになっていました。

四季の薬玉は色々なお花が付くのでとても華やかです。

その内の一つ平菊を手に取り、裏側を見るとギザギザのガクがちゃんと付いていました。

「雲上流の花は見えない部分も丁寧に造るのです」とおっしゃっていました。

どんなに丁寧に造られているか…毎回驚いている私です。

 

 

◆2019年1月14日

明日は村岡先生の満90歳のお誕生日です。

「少しずつ衰えるけれど、ずっと作り続けて少しでも維持をしたい」とおっしゃられていました。

村岡先生がこの一年もお元気にお過ごしになられる様に心から願っております。

 

 

 

 

◆2018年12月18日

葉っぱの葉脈のコテは初め強く、だんだん力を抜いて強弱を付けます。
プレスでは決して出ないコテならではの表情になります。
写真は四季の薬玉の藤の花です。

◆2018年12月17日

1つのものを造るのに京都はそれぞれの専門の職人がいるからエエもんができる。
他所は1つを1人でするから楽やし、廃れにくいけど…
と、村岡先生は少し寂しそう話されていました。
実際、京都ではどんどん職人さんの数が減り、そのモノが見られなくなってきています。
写真は先生がお造りになった四季の薬玉用の紅葉です。
1つ1つ丁寧に色付けされていますので本物のようです。

◆2018年11月26日 

不器用な人の方が職人に向いている。

不器用な人は1つのことを一生懸命するけど、器用な人は要領も覚えて手を抜きがちだそうです。
村岡先生は「私は不器用なんです」とおっしゃってました。

◆2018年11月17日

「お天道様(おてんとうさま)が西から出ん限り、職人は飯が食える」
この言葉もお父様から良くお聞きになられたそうです。
職人は商売の事を考えず、仕事に専念しなさいということらしいです。

 

◆2018年11月12日

 先生のお父様の言葉「職人は手間を考えない。金を考えたらあかん」

 子供の頃からずっと聞かされてきたそうです。